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トロピカル・マラディ

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タイ映画「トロピカル・マラディ」を観てきました。
2004年のフィルメックスで最優秀作品賞を撮った映画ですが
かなり不思議な作品でした。
あえて「新感覚ゲイムービー」と言わせてもらいましょう。

前半はなんともほのぼのとした
タイの田舎の若者の日常生活を綴っています。
森林警備隊で働く兵士のケンは
年下の青年トンを愛していますが
トンはケンの思いにどう応えていいのかわからない感じ。
兄貴に甘える弟分のごとく自然にふるまっています。
ケンは自分の思いを言葉や行動で伝えていくんだけど
トンは照れ臭いのかな?一笑に付してしまってます。
二人の絡み具合がごく自然で
でもお互いとても大切なんだなと感じられる部分がいいですね。
ケンが映画館でトンの膝に手を置いたり
水辺で膝枕をしてもらってマッタリしたり
一番濃厚だったのがケンがトンの手を取って口に当てると
お返しにトンがケンの手を取って舐めまくり
そのまま去ってしまうシーン。
後で一人満面の笑みをたたえるケンの姿がいいなぁと思ったら
そのプラトニックだけど素敵な二人の関係についてのお話は
そこでおしまい。

後半は幻想の世界に飛び込んでしまいます。
モチーフは中島敦の山月記なんだそうで
家畜がトラに襲われる被害を知ったケンが
一人ジャングルの奥に入っていってトラに遭遇する話が
延々と続きます。
ジャングルの中で走り回っている謎の裸男が実はトンなんですけど
前半と後半は別物と考えなきゃいけないみたい。
ジャングルの中でストイックにトラ=裸男をケンは追っていきますが
サルが喋ったり、蛍がきらめいたりして、やがてトラが現れ
トラとケンがじっと睨みあっているうちに
結局ケンはトラに体を捧げてしまいます。
(ってことを教えてくれるのはラストの絵なんですけど)

あまりにも違いすぎる二つの世界に面喰いつつ
でもトンのことを思い続けるケンが
幻想の世界でトンに体を捧げるのは至福の時なのかもと
都合よく物語を解釈していました。
ケンは自分がゲイであることをわかっているけど
(そしてゲイの人達もわかってるし…
お互いを見つめる視線が鋭すぎます。)
でもトンはケンのことも好きだけど、女の子のことも気になってる
恋人としてのケンを受け入れらるかというと微妙な感じがします。
前半の話がこのまま続いていったら
どこかでトンが葛藤し、ケンと別れてしまうのではなんていう悲劇を迎えてたかも。
だったらこのまま訳が分からずトラとともに消えてしまった方が
気持ちが安まります。

本当は仏教思想とか奥深いものがあるんだと思いますけど
前半のケンとトンの屈託ない笑顔が素晴らしかったので
ハッピーなゲイムービーということにしておきましょう…
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